第40回日本脳神経外科コングレス総会

会長挨拶

会長 中田 光俊

第40回日本脳神経外科コングレス総会
会長 中田 光俊

本年の第39回日本脳神経外科コングレス総会は山形大学 園田順彦会長が務められ、盛会のうちに終了いたしました。興奮冷めやらぬまま、本稿を執筆しています。来年の第40回日本脳神経外科コングレス総会は2020年5月14日(木)~17日(日)に大阪国際会議場にて開催させていただきます。

本会の参加者は第32回東京大学の齋藤延人会長のときから4,000名を超え、新専門医制度における領域講習認定が開始された第38回国立循環器病研究センターの髙橋 淳会長のときから5,000名を超える学会に成長いたしました。歴史と伝統ある本学会を担当させていただきますこと、金沢大学脳神経外科学教室、同門一同大変光栄に存じております。

日本脳神経外科コングレスは、脳神経外科医の生涯教育を目的とし、脳神経外科領域全般を同一の会場を使用してオムニバス形式で学ぶ学会です。第37回国立がん研究センターの成田善孝会長のときからプレコングレスセミナー1日+総会3日間という形式から4日間全体がコングレスの会期となりました。最大の利点は、脳神経外科領域の最新の知識を短期間で一気に得ることができることです。会員の先生方にとりまして有意義な会にするべく、この趣旨を踏襲し、効率的に、効果的に、最先端を学べるような学会にしたいと思います。多くの先生方にとりまして、日常の繁忙の中で全日程参加できる方は少ないと思います。専攻医セミナー・ハンズオン・ビデオ教育セミナーで構成される初日は専攻医、プレナリーセッション・特別企画・海外特別講演・文化講演で構成される2, 3日目は専門医、最終日の日曜日には開業医の先生方にもお役に立てるプレナリーセッションを組む予定です。

第40回の主題は「未開拓の知」とさせていただきました。脳神経外科領域は1980年のコングレス創設から本会に至る過程の中で、尊い先人が未開拓の脳神経外科領域を開拓者として耕し、整地し、多くのサブスペシャリティに区画整理されました。それぞれの領域には滔々と水が引き込まれるかの如く、日進月歩の技術革新がもたらされ多くの知見が生み出され、進歩が叶いました。今後もさらに、それぞれの領域が我々の想像を超える形で発展するものと思います。そのような中で、自身のサブスペシャリティ以外の知識習得がどうしても疎かになり、他領域の先端を理解することが難しくなった現状があります。本会はそんな会員の先生方のそれぞれにとって「未開拓の知」が詰まっている学会にしたいと考えました。

学会ポスター

ポスターは子供をモデルとしました。子供は「好奇心に満ちた将来ある」脳神経外科医の象徴です。眼の中に浮かぶカラフルな脳は「細分化され様々な側面をもった」脳神経外科医療、また「学際色豊かな学問としての」脳神経外科学を表しています。視線が上の方に向いているのは、脳神経外科がまだまだ発展し続ける領域であることを表しています。背景をモノトーンにしたのは、初見で目にクローズアップする効果に加え、脳神経外科医療はこれまでの歴史の中で根治可能となった疾患(明)と、未解決の難治性疾患(暗)を抱えている領域であることの比喩となっています。我々脳神経外科医は未解決課題に対してたゆみない努力を続け、解決法を探る責務を負っているという峻厳な現実を示しています。

これまでのコングレス総会参加の経験から、学会の良し悪しを決定するのは演者であるとの結論に至りました。本会は指名による発表で構成されます。根幹をなすプレナリーセッションでは、周到に準備された発表は理解しやすく、参加者の心を打ち印象に残ります。選ばれた演者にとりましても、この経験が自信となり誇りとなって、明日への糧となるでしょう。各領域から多くの次世代エースにご登壇いただきたいと考えています。

海外特別講演として、もはや伝説の域に達した脳神経外科医、Dr. Robert Spetzlerに内諾を得ています。私の留学先のボスでもあり大変お世話になった先生で、これまで未開拓領域を勇猛果敢に開拓してきた先駆者です。もう一人は2020米国コングレス会長のProf. Steven Kalkanisで、脳腫瘍専門家です。

文化講演は落語家の立川志の輔師匠にお願いいたしました。志の輔師匠は同郷の富山県のご出身で、巧みな話芸で落語人気を牽引し続け、現在最も寄席のチケットが取りにくいとされる当代髄一の落語家です。高座に限らず、NHK「ためしてガッテン」の司会者を長く務めるなどマルチな才能を発揮し、多方面で活躍されていらっしゃいます。落語は日本において江戸時代より存在する伝統芸能でありながら、なじみのない未開拓の知である先生方も多いと思います。文化講演を決めるにあたり私はそれまでは未知であった寄席に通う中で、この日本独特の文化に強い関心を寄せました。落語の社会は師から学ぶ、技を極める、など脳神経外科医療と共通する点も多く、「未開拓の知:落語」としてこの文化に是非触れていただきたいと思います。大きなホールでは高座を作ることは難しいため、落語ではなく講演になりますが、笑いが溢れる教訓的なお話しをしていただけるものと思います。この時間だけは是非おおいに笑っていただき、学会で疲れた頭をリフレッシュしていただきたいと思います。

また、節目の第40回総会としての特別企画を含め、新しい取り組みについてプログラム委員、教室内の準備委員一丸となって、現在検討を重ねています。会員の先生方には是非本会で自身の未開拓の地を耕し多くの実りある知を得て、日常の診療・研究・教育にお役立ていただきたいと願っております。多くの会員の先生方のご参会を何卒よろしくお願いいたします。

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